女性が感染しやすい「性病/性感染症」の基礎知識

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■性感染症(STD)とは?

性感染症(Sexual Transmitted Diseases)とは、セックスなどの性行為によって感染する病気の総称です。
一般的には、性病という言葉の方がなじみがあるかもしれませんね。

昔は、性病というと男性の病気というイメージがありましたが、今では女性の感染者数が男性の1.4倍とも言われており、
男女ともに身近になっている病気と言えるでしょう。

また、女性の場合は、性感染症が原因で子宮や卵管の病気にかかったり、最悪の場合生まれてくる子供にうつしてしまうこともあります。このような悲劇を避けるためにも、正しい知識としっかりとした対策が必要となってくるのです。

■性感染症の種類

かつての性病というと、梅毒、淋菌感染症(淋病)、軟性下疳、鼠径リンパ肉芽腫の4つを指していました。医療の進歩によって淋菌感染症(淋病)以外の病気は感染者が減少しましたが、入れ替わるように新たな病気が登場してきました。
現在性感染症として認識されている代表的な病気には以下のものがあります。

・クラミジア
・淋菌感染症(淋病)
・膣カンジダ症
・性器ヘルペス
・HIV感染症/エイズ
・梅毒

・尖圭コンジローマ/HPV(ヒトパピローマウイルス)
・膣トリコモナス症
・ケジラミ症

・疥癬
・赤痢アメーバ症
・A型肝炎
・B型肝炎
・C型肝炎

■どうやって感染するの?

性感染症と原因となる細菌やウイルスは、性器の周辺、膣内、精液、血液などに潜んでいて、セックスをすることによって相手に侵入します。
また、最近では、フェラチオやクンニリングスといったオーラルセックスを楽しむことが増えており、性器から口内、目などといったところに感染するケースもあります。

HIV感染症などはセックス以外の感染経路も存在しますが、ほとんどの性感染症がセックスによってうつるのです。

■発症したらどうなるの

症状は病気によってさまざまです。性器ヘルペスや尖圭コンジローマは性器に水ぶくれやイボができる病気ですので、見た目でわかります。
ケジラミ症やカンジダ症は猛烈なかゆみがあるのですぐ疑うことができるでしょう。

こわいのが「自覚症状が出にくい」病気があることです。クラミジアや淋菌感染症(淋病)は、症状が出にくい代表的な性感染症で、感染に気付かないまま、ウイルスを拡散してしまいます。もちろん、自覚症状が出ないからと言って放っておいていいわけではありません。かといって、症状がないところから性感染症を疑うのにも限界がありますから、日ごろの予防や定期的な検査が重要になってくるのです。

■感染したら

いずれの性感染症も、感染したら速やかに医師の診察を受けることが必要です。病院に行くことが「恥ずかしい」と思ってしまう人もいるでしょうが、さらなる感染を防ぐためにも、適切な治療を受けてください。

当然ですが、感染が確認されて、治療をしている間はセックスは禁止です。少しでも体に異変を感じたら、控えるのが賢明でしょう。

■性感染の予防

セックスする際は必ずコンドームを着ける事が大事です。これだけで感染のリスクはぐっと下がります。そして、不特定多数とのセックスをできるだけ避けましょう。性感染症の疑いのある相手とのセックスはもちろん危険です。

もし、性感染症の疑いがある相手とセックスをしてしまったときは、必ず検査をしましょう。検査は病院でもできますが、自宅で簡単にできる検査キットもあります。「恥ずかしい」、「人目が気になる」など、病院での検査に抵抗がある人は、こちらをおすすめします。

お互いのパートナーと一緒に検査を受けると、より安全なセックスを楽しむことができます。安心が保障されるうえに、性感染症への知識を深めるいい機会にもなりますので、恥ずかしがらずに一歩踏み出しましょう。

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■クラミジアってどんな病気?

クラミジアは、クラミジアトラコマティスという病原体が引き起こす病気です。かつては目の病気だったのですが、今では性感染症に姿を変えており、今では代表的な性病(性感染症)として認知されています。

クラミジアは、現在最も流行している性感染症と言えます。特に、女性の感染報告数が多く、
女性の性感染症の半分以上がクラミジアと言われています。

感染拡大の原因としては、自覚症状が出にくいことが挙げられ、無自覚がゆえにウイルスを拡散してしまうパターンがあるからです。

ちなみに、男性の割合は女性よりも低くなっているのですが、自覚症状が出ずらいので気付かないだけと言われており、決して、男性がかかりにくいというわけではありません。

また、クラミジアは感染力が非常に強いです。ウイルス保持者とのセックスによる感染確率は50%に達するとも言われています。
2回に1回は感染すると考えていいのです。
■感染経路

セックスのときに粘膜が触れ合うことで感染します。性器からの感染が大多数ですが、フェラチオやクンニリングスなどオーラルセックスの流行によって、口内、目へ感染するケースも見られます。直腸や肛門への感染例もあります。

■潜伏期間

おおよそ1~3週間

■どんな症状が出るのか?

先にも言った通り、自覚症状が出にくい病気です。ほぼ半数の人に症状が出ない、あるいは、あっても非常に軽度で気付きにくいのですが、次のような症状を感じた時は、クラミジアを疑った方がいいでしょう。

女性の場合は、おりものの増加、下腹部の違和感、排尿時の痛みなどが初期症状です。

男性はさらに症状が出にくいといわれていますが、症状が出る場合は尿道の痛みが多いです。かゆみや膿みのようなものが出る場合もあります。

■クラミジアは放置すると危険です

女性は、感染したまま放っておくと子宮頸管炎を起こします。さらに、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤内感染症、腹膜炎など、重い病気を引き起こすことがあります。不妊症や子宮外妊娠の原因にもなります

妊婦が感染していた場合は、早産、流産のリスクが高まります。

男性は、尿道炎、睾丸炎になる可能性があり、まれに、男性の不妊症になることもあります。

■避けなければならない「産道感染」

もし、妊婦がクラミジアに感染したまま出産した場合、産道感染を引き起こして新生児にクラミジア結膜炎、クラミジア肺炎といった病気がうつってしまいます。

このようなリスクは避けるべきで、妊娠した際には、念のため性感染症の検査をした方がいいでしょう。

早期に気づくことができれば、出産前に完治させることが可能です。

■クラミジアの検査

症状が出にくいことが特徴ですので、わずかな体調の変化を見逃さないことが大切です。

不安があれば病院で検査を受けましょう。性病科だけでなく、産婦人科や泌尿器科でも受けられます。また。病院での検査のほかに、自宅で誰にも知られずに受けることができる検査キットがありますので活用してみるものいいかもしれません。

もし、クラミジアの疑いがある相手とセックスをしてしまったときは、必ず検査をしましょう。疑いはなくても、初めての相手とのセックスの後に体調の違和感を感じるようなことがあれば、感染を疑うべきでしょう。

■クラミジアの治療

医師の診察を受け、抗生物質を投与すれば、たいていは2週間程度で治ります。治療の間はセックス禁止です。

もし、クラミジアへの感染があった場合、潜伏期間中に性交渉を持った相手にウイルスを拡散している可能性があります。

パートナーにも検査を受けてもらう方がいいでしょう。

■混合感染に注意

クラミジアは、淋菌感染症(淋病)と同時感染するケースがあり、ほかにも、HIV感染症などの異なる性感染症を引き起こしやすくなるといわれています。症状が出ない、比較的治療しやすいなどの理由で感染を放っておくと、さらなる不幸が降りかかってくる可能性があるので、予防と早急な対応が重要です。

 

■淋病(淋菌感染症)とは?

淋病は淋菌という細菌によって引き起こされる性感染症で、かつては梅毒と並ぶ性病の代名詞的存在でした。
一時期感染者数が減りましたが、最近になってまた増加傾向にあるようです。
男性に女性の約7倍という感染数が報告されていることから男性の病気とのイメージも持たれがちですが、
女性の場合は症状が出ないことが多いので「気づいていない」可能性があり、決して女性がかかりにくいわけではありません。
比較的症状が似ているクラミジアと同時感染しているケースがあるので、注意が必要です。

・感染経路
セックスによるものが大多数ですが、保菌者が触れたタオルや指から感染するケースもあります。
また、オーラルセックスの一般化により喉や目への感染例も増えています。

・潜伏期間
2~7日程度

・発症すると
男性の場合は、排尿時に痛みが出る、尿道から白い膿が出るなど、わかりやすい自覚症状が出ます。
女性の場合は、少しおりものの量が増えたり性器のかゆみを感じる程度で、自覚症状が出ない、または出ても軽度であることが多いです。
ただ、放っておくと子宮頸管炎、卵管炎、子宮内膜炎などを起こし、後遺症として不妊症になることもあります。
妊婦が感染していると産道感染を起こし、生まれてくる赤ちゃんに結膜炎がうつる可能性があります。
のどに感染した場合は、のどの痛み、セキなどの風邪に似た症状が出ます。
目に感染した場合は結膜炎をおこします。

・検査

膣の分泌物や尿検査で検査できます。
女性は症状が出にくいので、わずかな異変でも見落とさないようにしなければなりません。
「実は感染していた」というケースもあるので、定期的に検査をするのが理想でしょう。

・治療
たいていは抗生物質の投与で治ります。必ず医師の診断を受け、指示を守って治療に臨んでください。
治療中のセックスは厳禁です。

 

■膣カンジダ症とは?

膣カンジダ症の原因となるカンジダ真菌はカビの一種で、もともと膣の中につねひごろから存在している細菌です。もともとはおとなしい菌なのですが、このカンジダが何らかの原因で異常増殖を起こすと、膣カンジダ症を引き起こします。そして、「何らかの原因」の最たるものがセックスであることから、性感染症として捉えられています。また、体の抵抗力が落ちている際に、もとからいた細菌が膣内で繁殖を繰り返して膣カンジダ症を起こすケースもあります。

その名の通り、膣内で起こる病気ですので、男性が感染することはレアケースです。

膣カンジダ症は、膣トリコモナス症と同じで、おりものに特徴的な変化が出ます。そして。とにかく「かゆい」です。性器のあたりにかゆみが出た時は、急いで医師の治療を受けましょう。
・感染経路
成人女性の10%が保有していると言われている菌なので、もともと存在していたものが増殖して自己感染することがあります。この場合、セックスの有無は関係ありませんが、人から感染した場合は、ほぼセックスが原因と考えていいでしょう。
・潜伏期間
決まっていません。そもそもおとなしい菌ですので、異常増殖しない限りは何も問題を起こしません。長い時は数年に及ぶケースもあるため、感染ルートの特定はかなり困難なものになります。

・症状
特徴的なものが「おりものに白いカッテージチーズ状のものが混じる」そして「性器から肛門にかけてのかゆみ」です。また、性器が熱っぽい感覚があり、酷くなると、外陰部がただれてしまうようなこともあります。

男性が感染するのはまれですが、排尿時に少し痛むようなことが起こります。

妊婦が感染していた場合は、産道感染を起こし、赤ちゃんにカンジダ性口内炎が発症することがあります。

・治療

抗真菌剤や、膣に入れる錠剤を投与して治療します。治療期間は2週間程度です。治療が終わるまではセックスをしてはいけません。また、パートナーにも感染していることがありますので、一緒に治療を受けるのがベターです。

 

■HIV感染症/エイズとは?

「HIV」「エイズ」といった言葉も一般的になりました。1980年代には薬害エイズ事件が注目されたりもしましたが、現在では約7割がセックスによる感染ではないかと言われています。HIVとは、「ヒト免疫不全ウイルス」のことで、長い年月をかけて免疫力を弱め、様々な病気を引き起こすようになります。この免疫力が弱った状態をエイズ(後天性免疫不全症候群)と呼びます。

現在では、ある程度発症時期を遅らせることができるようになったものの、死に至る病気であることは変わりません。

セックスによるHIVへの感染確率は、0.3%程度と言われています。これが高いか低いかという受け取り方は人さまざまでしょうが、死に至る確率と言ってしまえば、決して見逃すことができない数字です。

予防のためには「必ずコンドームを使用する」ぐらいしか有効な手段がありません、また、初期症状が風邪に近いため、気づかずに過ごしてしまう可能性もあります。定期的な検査を受けておきたい性感染症です。
・感染経路
セックスによる感染のほかに、注射針の使い回しや、輸血による感染もあります。

・潜伏期間
人によって違いますが、7年から15年に及ぶ場合もあります。。

・症状

感染して2週間から2か月くらいたつと初期症状が現れます。熱発やのどの痛み、リンパの腫れなど風邪に近い症状で、2週間くらいで治まります。

その後はゆっくりと免疫力を低下させ、数年から10年程度で発熱、下痢、体重減少などを起こします。

さらに免疫力が低下すると、健康であれば問題のない微生物がありとあらゆる病気を引き起こします(日和見感染と言います)。カポジ肉腫や悪性リンパ腫と言った悪性の腫瘍を発症すると、死につながります。

・検査

血液検査を受けます。保健所で無料・匿名で受けることができます。ただ、感染後間もない時は陰性と出ることがありますので、1回だけではなく、定期的に検査を受けたいです。

・妊婦への影響

妊婦が感染していた場合、HIVの進行が速くなるとされており、妊娠中や出産後には、ほかの感染症にかかることがあります。また、赤ちゃんへの感染率は30%程度と言われており、かなり高い数字と言えるでしょう。

帝王切開をすれば赤ちゃんへの感染は防げますが、出産後にほかの接触で感染しないように、注意しなければなりません。

・治療

現在、完治することはありませんが、抗HIV薬の投与で、ある程度進行を遅らせることができるようになりました。万が一感染が判明した場合は、さらなる感染を防ぐために配慮しなければなりません。

 

■性器ヘルペス

ヘルペスウイルスによって感染しますが、性器ヘルペスを引き起こすウイルスは、唇や口内にできるヘルペスのウイルスとは違う種類です。
ただ、最近ではオーラルセックスをすることが多いので、口のヘルペスウイルスが性器に感染する、またその逆のパターンも起こっています。
性器ヘルペスの厄介なところは、適切な治療をしないと完治しない点です。再発のリスクを常に背負わなければならないのです。
この病気は比較的はっきりと症状が出ますので、性器にかゆみがあったり、水ぶくれを発見したりした時は、速やかに病院で診断を受けるようにしましょう。
特に女性の場合は症状が重く出るので、一刻の猶予もありません。

・感染経路
セックスによるものが大多数。近年、オーラルセックスでの感染報告が増えています。
口に感染していた場合はディープキスでもうつることがあります。
水ぶくれや潰瘍ができているときのセックスで感染します。潜伏している期間で症状のないときは、セックスをしてもうつりません。

・潜伏期間
2~10日程度

・発症すると
抵抗力があるときは症状が出にくいです(冬眠しているような状態)が、体力が落ちているときに一気に症状が現れます。
特に、初感染のときは重い症状が出ます。

最初は性器に違和感やかゆみが出ますが、そのうち痛みに変わり、水ぶくれや潰瘍(えぐれたような傷)がいくつもできます。
発熱を伴ったり、ひどいときは歩けなくなるほどの痛みが出ることもあります。

完治しにくい病気で、疲労、ほかの病気、月経、妊娠など、体力が落ちているときに再発します。症状は初感染時とほぼ同じですが、それよりは軽く出ることが多いようです。

妊婦の産道感染によって新生児にヘルペスがうつると、脳炎や肺炎など重い病気を引き起こします。死亡、または重い後遺症といった最悪のケースが考えられます。妊娠時には必ず検査をすることを強くおすすめします。

・検査

水ぶくれや潰瘍の分泌物から検査ができます。

・治療
初感染のときは症状が重いので抗ウイルス剤を処方されることがあります。放っておいても収まりますが、再び潜伏しただけで完治したわけではありません。
症状が出ているときのセックスは厳禁です。

 

■梅毒とは?

梅毒は、性病の代名詞的存在と言っていいでしょう。数々の歴史上の人物が梅毒で亡くなっているといわれており、死に至る性感染症として古くから恐れられてきました。一時は、よく効く抗生物質が誕生したことで感染者数が大幅に減少しましたが、近年は再び増加傾向にあるといわれています。もちろん、今では「不治の病」ではなく、しっかりと治療すれば治る病気なので、怖がらずに、しっかりとした知識を持って対処したいものです。

梅毒の原因になるのは「梅毒トレポネーマ」という微生物で、ゆっくりと時間をかけて増殖します。病気の進行は4つのステージがあり、最後まで進行してしまうと、最悪、死に至りますので、それまでに治療を進める必要があります。

・感染経路
セックスによるものがほとんどですが、キスやペッティングを介した感染や、血液や体液を介した感染経路も存在します。

・潜伏期間
10日から90日

・症状

感染してからの時間と症状によって次の4つのステージに分けられています

(1)第一期

感染してから3週間くらいで、感染したところに硬い「しこり」ができます。最初は堅いのですが、少しずつ時間をかけて柔らかくなり、最終的にはなくなります。この「しこり」自体は痛みがないことが多いようです。最初の「しこり」がなくなった時が次のステージです。

(2)第二期
感染から3か月程度経過すると、梅毒トレポネーマが全身に行きわたり、「梅毒疹」と言われる斑が全身に出ます。性器やわきの下などには、悪臭を伴うぶつぶつ状の斑が現れることもあります。また、「梅毒性脱毛」が起こり頭髪が抜け落ちる症状も起きます。この症状は、数か月続くことがあります。

(3)第三期
感染から3年ほどたつと、全身にゴムのような腫瘍がいたるところに発生します。この腫瘍はそのうち消えますが、皮膚に痕が残りますので、見た目に醜くなります。

(4)第四期
感染から10年ほどで感染が体の中枢に及び、日常生活を送ることが難しくなります。最悪の場合は死に至ります。
・検査

血液検査を受けます。保健所で無料・匿名で受けることができます。もしすでに「しこり」が発生いている場合は、しこりに梅毒トレポネーマがいないか検査します。
・治療

梅毒はペニシリンがよく効きます。梅毒が不治の病で亡くなったのは、ペニシリンの開発が大きな要因です。第一期のしこりは見逃してしまうこともあるので、もし、第二期の症状である全身の発疹が見られたときは、急いで治療してください。第二期までであれば、治療時間も短く済みます。

 

■尖圭コンジローマ/HPV(ヒトパピローマウイルス)とは?

尖圭コンジローマ(尖形コンジローマ)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)を原因として起こる性感染症です。「尖圭(尖形)」という文字の通り、性器に、とがっている米粒大のイボがたくさんできる病気ですので、見た目にわかりやすいのが特徴です。このヒトパピローマウイルス、現在では、女性は子宮頸がん、男性は陰茎がんの原因になることが確認されていますので、尖圭コンジローマは要注意です。なにより、「見た目が悪い」ので、感染が確認された場合は、きっちりと治療を受けなければならないでしょう。

尖圭コンジローマは、性器ヘルペスと同じで、完治が難しく、再発しやすい病気です。

・感染経路
セックスのときに、粘膜の接触によって感染します。

・潜伏期間
人によってまちまちで、3週間から、長い場合は8か月にもなります。平均すると3か月くらいのようです。
このため、感染ルートの特定が難しいです。

・症状
男性の場合は、陰茎、陰嚢などに、女性は、膣内、大小陰唇、子宮口など、男女共通で、肛門、尿道口に、「乳頭状」「鶏のトサカのような」「カリフラワーのような」イボができます。イボの大きさは、米粒大のものが多いですが、大きいものでは親指ほどの大きさになることもあります。このイボは、基本的には痛みなどの自覚症状が出ませんが、まれに、おりものの増加、かゆみ、うずくような痛みを起こすことがあります。

ヒトパピローマウイルスには良性と悪性があり、悪性のウイルスに感染するとがんの原因になるといわれています。女性の子宮頸がん、男性の陰茎がんの組織を調べると、かなりの確率でヒトパピローマウイルスが発見されることが報告されています。

女性が感染したまま出産をした場合、まれに赤ちゃんののどにイボができることがあります。このイボは、窒息やがんの原因になることがあります。

・治療

イボの除去手術を受ける治療法が一般的です。レーザーを利用するもの、液体窒素を利用するもの、電流を利用するものなど、手術の方法はいくつか存在します。
いずれの方法も、手術で取り切れなかった小さな病変がのちに大きくなって、再発を引き起こすことがあります。治療中のセックスはもちろん禁止ですが、治療後も、3か月程度は再発がないか注意するべきです。
また、抗がん剤入りの軟膏を塗る治療法もあります、この場合はさらに時間がかかるため、根気が必要です。

 

■膣トリコモナス症とは?

膣トリコモナス症は、トリコモナス原虫という小さな虫が膣内に寄生して起こる性感染症です。「膣内」と言うからには女性の病気と思われがちですが、膣内に寄生した時に症状が出やすいというだけなので、男性が感染しないわけではありません。むしろ、自覚症状の出にくい男性が病原を拡散するケースが多いので、注意が必要です。

おりものの状態に変化が起こる代表的な病気で、黄色がかった、においのある泡状のおりものが出ます。

トリコモナス原虫は非常に生存力が強いので、ほかの人にうつしてしまわないよう、しっかりと治療する必要があります。また、セックスの相手が感染している限り何度でも感染しますので、パートナーにも感染の有無を検査してもらった方がいいでしょう。

・感染経路
セックスでの感染がほとんどですが、トリコモナス原虫は生存力が強く、宿主から離れても水さえあればしばらく生きていけます。このため、衣服やタオル、あるいは便器や浴槽など、直接接触がなくても感染する可能性があります。極端な話、セックスの経験がなくても感染する危険性があるのです。

・潜伏期間
1~2週間

・症状
女性の膣内に寄生すると膣炎を引き起こします。おりものが黄色を帯びて、泡立ったものになります。また、特にほかの菌による炎症を併発した時には、強いにおいを放ちます。外陰部のかゆみや、排尿時の痛みを伴うことがあり、放っておくと卵管炎や骨盤内感染症の原因にもなります。

妊婦が感染していた場合は、赤ちゃんへ産道感染することが確認されています。

男性の場合は尿道に痛みが出ることがありますが、多くは自覚症状がないようです。

・検査
膣の分泌物を顕微鏡で見るとトリコモナス原虫の姿が見えます。

・治療
内服薬による治療法が一般的で1週間~10日ほど続ければ治ります。また、膣に錠剤を入れる方法もあります。
治療中のセックスは厳禁です。また、トリコモナス症はパートナーと一緒に治療を受けたい性感染症です。パートナーが感染している限り再感染を起こしますし、さらなる拡散をまねく恐れもあります。

 

■ケジラミ症とは?

ケジラミは、その名の通り「シラミ」のことで、要するに虫です。つまり、病気というよりは、虫刺されに近いものです。「虫刺され」と言ってしまえばそれほど重いイメージを持ちにくいですが、セックスによって移る、れっきとした性感染症の一つです。シラミは、体長が1ミリほどで、爪にカニのようなハサミを持ち、蚊のように吸血します。このシラミが、陰毛付近に寄生した時を、「ケジラミ症」と言っています。そして、血を吸われた場合はどうなるか? かゆいです。シラミによるかゆみは、蚊のそれとはレベルが違います。しかも、陰毛付近で起こりますから、当然虫刺されの薬は使えません、一刻も早く治療を受けざるを得なくなるでしょう。
・感染経路
セックスによるものがほとんどですが、まれに、シーツやタオル等を介して感染することもあります。

・潜伏期間
成虫による感染は、早々に症状が出てもおかしくありません。卵を産み付けられたときは、7日前後で孵化します。これは、治療の目安の期間になります。

・症状

陰毛に寄生して血を吸います。かなり強烈なかゆみが出ます。

・検査

目視によってシラミを探します。

・治療

スミスリンパウダーという薬を塗布し、しばらく待った後、よく水で洗います。これを2日間隔ぐらいで数回行います。陰毛を添ってしまうのも効果的です。とにかく、1匹でも生き残してしまうと、再び繁殖しますので、しっかりと丁寧に退治しなければなりません。

通常、宿主から離れたシラミは48時間ほどで死にますが、生きている間であれば、シーツやタオルなどからほかの人にうつる可能性があります。もちろん、自分自身が再び感染するケースもあるので、あのかゆみに懲りたのならば、セックスのパートナー、あるいは家族にも、検査を受けてもらった方がいいでしょう。

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参考サイト 国立感染症研究所 日本性感染症学会 厚生労働省/健康・医療/性感染症 性の健康医学財団